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旅の特集

#23

最果ての地をめぐる、写真の旅。~ファインダー越しに見た、冬の南大隅町~ Day.2

「絶景の目利き」ともいえるカメラマンの視点を通して南大隅町の魅力を再発見する旅の特集。今回は屋久島で島の風景や風土を撮りつづけたフォトグラファーの高比良 有城さんの旅。

2026.3.2

最果ての地をめぐる、写真の旅。~ファインダー越しに見た、冬の南大隅町~ Day.2

遠く近くの風の音や海の音を聴きながら、いくつかの夢を見て目を覚ました。小さなテントの中はまだ暗い。寝袋から顔と手だけを出し、換気用の小さな窓から外の様子をうかがう。風はあいかわらず強いが、東の空はぼんやりと明るく白み始めている。

キャンプ所にほど近い桟橋へ、朝日を迎えにいく
集落の朝は早く、太陽が顔を出す前に一日のはじまりを告げるメロディが流れる
太平洋から昇る朝日

その日の天気や、体調、気分によって行き先を決める気ままな旅。次なる目的地に定めたのは、西日本最大級の照葉樹の森が広がる稲尾岳(標高930m)。肝付町・錦江町・南大隅町にまたがる広大な森はとても奥深く、瑞々しい。多くの観光客や旅人が訪れる佐多岬や雄川の滝に比べ、時間的・距離的に行く機会が限られてしまうが、海や川(滝)の風景を堪能したあとはぜひ山(森)の美しさにも身をゆだねて欲しい。

雪や霜柱がのこる稲尾岳
木漏れ日が揺れる、美しい登山道
昨日海辺で拾った流木を杖にして、一歩一歩土を踏みしめる

残雪が残る山の谷あいを、清流に沿って上流を目指す登山道。高度をあげるにしたがって、川のせせらぎは段々と小さくなり、やがてピトン、ピトンというかすかな雫の音に変わっていく。

稲尾岳の川の源流。森を潤す雨は、やがて川となって太平洋や錦江湾へ辿り着く

森に落ちた一粒の雨が、森を潤しながら海へと辿り着く。そしてまた海の蒸気が雲や雨となって山を濡らしていく。大きな自然の流れの中に身を浸しながら、ほんの小さな存在でしかない自分と向き合うひととき。

足元をみつめれば、きらりと光る雫が輝いていた
森を抜け、ゆるやかな尾根をたどると、照葉樹の森を見渡せる自然石展望台へ出る
道中には道順を示す番号の書かれた案内板もあり安心

山を下りて次に向かったのは、南大隅町の東側に位置する辺塚集落。

裏の裏は、表。南大隅町が鹿児島の奥座敷だとすれば、その南大隅町の裏にある辺塚集落は、もはや表。まさに日本の原風景といったのどかな風景が広がる。

苔に覆われた境内に、朱い拝殿が佇む辺塚神社
参道の小さな石橋を渡って、ハレとケの境を行き来する
辺塚集落の丘から見た、南大隅町の浦々。季節や時間によって刻々と表情を変える
旅の終わりにゴールドビーチから眺めた美しい夕焼け

1泊2日の小さな旅は、眼前の大きな風景(マクロ)と足元の小さな景色(ミクロ)に魅了される素晴らしい冒険となった。

PROFILE

高比良 有城

高比良 有城

1978年、長崎市生まれ。九州ビジュアルアーツ専門学校・写真学科卒。1999年より屋久島に移住し、島の風景や風土を撮りながら丸4年を過ごす。2002年に鹿児島市へ拠点を移し、フリーランスのフォトグラファーとして活動。写真、映像、文章を通して、刻々と移りゆく時(とき)と事(こと)を記録し続けている。
Instagram:@takahira.yuuki

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