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旅の特集

#22

最果ての地をめぐる、写真の旅。~ファインダー越しに見た、冬の南大隅町~ Day.1

「絶景の目利き」ともいえるカメラマンの視点を通して南大隅町の魅力を再発見する旅の特集。今回は屋久島で島の風景や風土を撮りつづけたフォトグラファーの高比良 有城さんの旅。

2026.2.2

最果ての地をめぐる、写真の旅。~ファインダー越しに見た、冬の南大隅町~ Day.1

進路は南へ。僕は今、錦江湾の縁をなぞるように大隅半島の東側をのんびりと車を走らせている。海を挟んだ向かいの薩摩半島には、きれいな三角のシルエットをした開聞岳がずっと見えている。紺碧の海を抱えこむように伸びるふたつの半島は、まるで「どちらが本土最南端であるか」を競っているかのようだ。

「双子の木」と勝手に名付けた木。二本並んで同じ年月を過ごし、同じ海風に吹かれ続けたことを物語る、そっくりな樹形にカメラを向けた。木々の向こうには開聞岳がみえる。やがて開聞岳の姿が後方へ移り去ると、穏やかだった波がにわかに荒々しくうごめきだした。海は鈍色にうごめき、波の間に白波が立ち上がる。

南大隅町は、南北30キロに延びる日本本土最南端の町。さえぎるもののない大海に突き出した半島には、北西の風が絶えず強く吹き付けている。その自然環境を一年中強風が吹く南米の秘境「パタゴニア」になぞらえる人もいたが、なるほど、確かにうなずける。

果てしなく続く(かのように思える)国道269号線をひたすら南下しながら、ふと「サタゴニア…」という言葉が口から漏れた。風が吹き、海が荒れ、草木が揺れるほどに旅のワクワクはボルテージを上げていく。さあ、日本本土最南端の地をめぐる、小さな冒険のはじまりだ。

最南端の町の、さらに最南端に位置する佐多岬。水平線の向こうには硫黄島、黒島、竹島、屋久島、種子島など南洋の島々が浮かぶ
佐多岬展望台からの眺望。西に薩摩半島と開聞岳、東にはこんもりとした枇榔島と、森の中を縫うように続く遊歩道を望むことができる

旅の拠点にしたのは、日本本土最南端のキャンプ場である大泊野営場。南大隅町にはいくつかのキャンプ場があるが、中でも一番南に位置し、なおかつ一番海に近いお気に入りのキャンプ場だ。

炊事場、シャワー、トイレなどの設備が整う
キャンプ場の丘の上にあるトイレは、温水洗浄便座だけでなく暖房便座付きというサプライズも
今夜の寝床となる小さなテント
目の前の浜辺で、焚き火の燃料となる流木や松ぼっくりを集める

大きな焚き火で体を暖めたかったが、強風で火の粉が飛ぶために断念。
シャッターを押す指先だけを暖めるために、小さな火をおこして月を待つ

小さな丘の上からぼんやりとした月が昇り始めた
海を照らす月の灯り

PROFILE

高比良 有城

高比良 有城

1978年、長崎市生まれ。九州ビジュアルアーツ専門学校・写真学科卒。1999年より屋久島に移住し、島の風景や風土を撮りながら丸4年を過ごす。2002年に鹿児島市へ拠点を移し、フリーランスのフォトグラファーとして活動。写真、映像、文章を通して、刻々と移りゆく時(とき)と事(こと)を記録し続けている。
Instagram:@takahira.yuuki

<次回予告>

次回は00月00日に「最果ての地をめぐる、写真の旅。~ファインダー越しに見た、冬の南大隅町~ Day.2」をお届けします。

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