【14:30】 夕日が絶景!黄金色の砂浜から出艇
天候:くもり
晩秋最後の日曜日、対岸の開聞岳に沈む夕日をを眺めながら、ゆったりとしたカヤックフィッシングを楽しもうと、友人と二人でマリブカヤックス/プロ2 タンデムの出艇準備をしてやってきたのは、ゴールドビーチ大浜海水浴場!

この日のコンディションは、風もなく、ベタ凪。18 時頃から風が強くなる予報が出ていたので、17 時頃の着岸を目途に短時間釣行となりますが、事故などに注意しながら楽しみたいと思います。
秋は、水温が低くなる冬に備えて、積極的にベイトを追う青物や根魚のハイシーズン。
今回、工具のレンチにアシストフックとトリプルフックを装着した「レンチジグ」を持ってきました。
活性の高い秋の青物を相手に、ちょっと変わった自作の「工具ジグ」でマイクロジギングが成立するのか・・
楽しみにしてカヤックを出します。
■今回のマイクロジギング用に使用するタックル
ロッド:エッグキャストタフィー
リール:レアニウムCI4+c2000s
ライン:PE0.4 号 リーダー:フロロ2 号

【15:00】パドリング中、魚探のフィッシュアラームが鳴り響く!ジグを投入!
二人乗り専用カヤックにフラッグや魚探などをセッティングし、ライフジャケット・タックルを手に、心躍らせながら砂浜から出艇します。

ベイトが集まるかけ上がりのポイントを目指し、その途中でアラーム音が鳴る!
「ピーピーピー・・」
魚探に中層付近で映っているのは・・大量のベイトの反応!
「この時期によく回遊するネイゴかスマガツオか、回遊系の何かだろう・・」
そう考えた私は、早速、試したかった「レンチジグ」を投入します。

レンチジグが、水底30m 付近に着底する前のフォール中に・・HIT!
初速だけは勢い良く走りましたが、その後は、抵抗なく上がってくるので、
青物ではなさそうです。
錦江湾の名物魚でもある・・ルアーを果敢に追ってくる根魚・・
オオモンハタ!
フォール中のレンチジグに食ってきました!
温暖な海域に生息する魚で、クセや臭味がない淡白な味わいの美味しい魚です。
ここ南大隅町でも良く釣れる魚です。
サイズはそこまで大きくないものの・・
一投目から幸先良いスタートとなりました。

続けて、魚探にはまだベイトの反応があるにも関わらず、
フィッシュイーター達からのコンタクトはありません。
「レンチの泳ぎが悪く、魚に見切られているのか?」
さすがにレンチの動きが悪ければ、ベイトを夢中になって追っているフィッシュイーターたちには、レンチジグはただの動く不審な物体にしか見えないのでしょうね(笑)
【15:30 】マグロにも良く似た食感の・・あの美味しい魚もHIT!

魚探に映るベイトの反応は、まだ続いている。
折角の短い時合いなので、透かさず、レンチジグから普通のジグにチェンジすることにします。

ワンピッチジャークとジャカジャカ巻きを繰り返していると・・
「ガツン!」
HIT しました!
「おお・・おお・・」
トルクもあるいい引きをしながら、勢いよく横に走ります!

上がってきたのは・・ベイトをたっぷり食べて太った「スマガツオ」です。

「ナイスサイズのスマガツオ!」
これくらいのサイズになるといい引きをしてくれます。

スマガツオは温暖な海域に生息するサバ科の魚で、マグロの代用魚としても取り扱われるほど非常に美味しい魚。大きな群れを作らずに小さな群れか単体で回遊している魚で、ここ南大隅の沖合でも夏頃から晩秋頃までよく回遊している魚で、タイミングによっては沿岸部からでも狙える回遊魚です。
その後、魚探に映るベイトの反応も、アタリも無くなり、いよいよ本命である「かけ上がりのポイント」までパドリングして移動します。
【16:00】ポイント到着後、一投目で大物がHIT する
本命のポイントに到着。
案の定、魚探のフィッシュアラームが鳴り響きます。
「開聞岳の夕日を眺めながら、ゆったりと釣りをするつもりが・・」
と、言いつつも・・風が強くなる時間まで間もないので、
すぐさまジグを投下してしまいます。
ジグ着底後のジャークし初めに・・
「ドスン!!」
「ジジジジジ・・・・」
巨大なアタリとともに、ドラグをひたすら出しながら一気に走り出します!
「これは根に入られる・・」
圧倒的な引きで、完全に魚に主導権を握られていますが、2000 番スピニングリールのスプールを抑えながら丁寧にやり取りをします。

エッグキャストタフィーが、バット部分から弧を描くように曲がります。
引き抵抗がなくなり、ずっしりと重量感だけの感触になった瞬間、「もしかして・・ゴマアラ!?」と期待を膨らませます。

【16:30】HIT した大物の正体は・・!?
かかった魚とやり取りしながら10 分程経過すると、魚のシルエットが見えてきて姿を現しました。

「でかい! ヤイトハタ? チャイロマルハタ?」

その正体は・・・「チャイロマルハタ」
この手のハタ科の種類は豊富で、見分けが難しいですが・・
茶褐色の横帯、斑点色、眼の位置、これは「チャイロマルハタ」で間違いなさそうです。

良型のチャイロマルハタが釣れました!

想定外の大物高級魚が釣れて、同行者と歓喜のハイタッチ!

熱帯沿岸域の浅瀬に生息するチャイロマルハタは、十数年前から南大隅でも良く釣れるようになりました。透明感のある白身で、コラーゲンたっぷりの旨味のある魚です。
風が出始めた17時、まだ釣りたい気持ちを胸に抑えながら身の安全を考えて、釣り場を後にするのでした。

カヤックを水揚げしたと同時に、雲の隙間から光差す夕日が顔を出し始めました。
【17:30】海から上がって夕日をバックにブツ持ち撮影
陸に戻る帰り際は風も強くなりましたが、暗くなる前に、何事もなく無事に帰還することができました。
心地いい波音と夕日をバックに・・チャイロマルハタと記念撮影!

計測用のメジャーを忘れたので、友人の建築用メジャーで体長を測ると70 ㎝近くありそう。

今回釣れたチャイロマルハタは、同行してくれた友人宅の鍋用食材となりました。
「一緒にカヤックフィッシングに同行してくれた友人に・・豊かな自然に育まれた南大隅の海に・・ありがとう。」

カヤックがなくても、一週間くらい滞在して釣りができる!
出先から調子の良かった今回の釣行では、短い時間だったのにも関わらず良い釣果に恵まれて、夕日を眺めながらゆったりとした時間にはなりませんでしたが、楽しいカヤックフィッシングの時間を過ごすことができました。黒潮の通り道に位置し、沖合水と沿岸水が混同する南大隅では、四季折々の様々な魚種を狙うことが可能で、釣行する度に「どんな大物が釣れるかわからない」という釣り人の血を熱く滾らせてくれる場所です。カヤックがなくても、遊漁船によるチャーター・乗合、瀬渡しなどもあり、自然豊かな南大隅町に一週間くらい滞在しながら「釣り旅」で訪れるには絶好の場所と言えます。ぜひ、南大隅を「釣り旅」の候補に加えてみてはいかがでしょうか。
※カヤックフィッシングの際は、航路・漁業設備・危険海域・天候などに注意して、ルールやマナーを心掛けながら、釣りを楽しんでください。
<次回予告>
次回は11月3日(月)に「最果て愛されグルメガイド Vol.4 <旬もの、地もの満喫編>」をお届けします。